Dragon Ash
【LIVE REPORT】
いよいよ残すところあと2組となった『ビクターロック祭り』のステージにはDragon Ashが登場! 真紅の照明の中、Kj、BOTS、桜井誠、HIROKI、ATSUSHI、DRI-V、サポート・ベーシスト=KenKen(RIZE)がオン・ステージ。やがて舞台が明るく照らし出され、髪を短く切った精悍なKjの佇まいが浮かび上がると、フロアからうおおおっと雄叫びにもにた大歓声が噴き上がりーー1曲目“Run to the Sun”の、一点の淀みもなく磨き上げられたソリッド&エモーショナルなサウンド炸裂! IKUZONEのラスト・レコーディングとなったシングルからのナンバーを「今」のアンセムとして鳴らして前進し続けるDragon Ashに、オーディエンスから熱いクラップとシンガロングが巻き起こる。
間髪入れずに続けて、KjのフロウとBOTSのスクラッチが冴え渡るヘヴィ・ミクスチャー・ナンバー“Trigger”へ。さらに、「Ladies and gentlemen, Mr.BASSMAN!」とKenKenを紹介して流れ込んだのはもちろん“The Live”! バキバキと唸りを上げるKenKenのベースと熱唱が、メンバー6人のサウンド&艶舞と渾然一体となって、熾烈なまでにスリリングな風景を描き出していく。メッセが灼熱の狂騒感で満たされたところへ、ゲスト:Yalla Familyのラップ・バトルをフィーチャーした“Still Goin' On”を披露。冒頭から約3年ぶりのアルバム=名盤『THE FACES』の最新モードの楽曲群をアグレッシブに畳み掛け、オーディエンスの情熱をさらに強く沸き返らせていく。
「17年前の昨日、初めてビクターからCDを出して、今日からDragon Ash、デビュー18年目です。よろしくお願いします!」というKjの言葉とともに放たれたのは“百合の咲く場所で”! 時代との、キッズとの連帯と共闘を胸に闘い続けてきたDragon Ashのアティテュードそのもののような、どこまでも激しく、強く、それでいて優しさに満ちた歌とサウンドが、観客の身体と心を震わせていく。そして、「ミクスチャー・ロックは好きですか!」のコールに続けて轟いたのは“Fantasista”! 「ロックのライブに来てさ、汗かかねえで帰ったらつまんねえだろうがよ!」「飛び跳ねろ!」と煽り立てるKjの絶叫に応えて、満場のオーディエンスのジャンプでフロア激震!
『THE FACES』にも収められた最新シングル曲“Lily”を高らかに響かせた後、「19年前ぐらいか、まだ俺とかサクとかが原宿のルイードっていうところでやってた時に、ビクターのディレクターが観に来てくれて……」とデビュー前の思い出を語るKj。「そのディレクターは死んじゃったんだけど……本当にビクターを愛してやってるんで。音楽を裏切らないで、これからもやっていきたいと思います」の言葉に熱い拍手が湧き起こったところで、鳴り渡ったイントロは“Viva la Revolution”! Kjと会場が一丸となって「Viva la Revolution!」の大合唱ーーという感動のエンディングの後、「ありがとうございました! ブリトニー・スピアーズでした!」のネタをぶっ込んで意気揚々と舞台を去っていくKjはじめ7人に、ひときわ熱い拍手が湧き上がっていた。
ライター:高橋智樹/カメラマン:橋本 塁(SOUND SHOOTER)