家入レオ
【LIVE REPORT】
トップバッター=SPECIAL OTHERSの興奮冷めやらぬ中、『ビクターロック祭り』二番手として登場したのは家入レオ。流麗なピアノのイントロに続けて、広大なホールに響き渡った歌は“太陽の女神”。真冬の幕張メッセごと真夏の太陽の下に連れ出すような、彼女の鮮烈なヴォーカリゼーション。そして「ひとつになりましょう!」のコールからそのまま“Shine”へ! パワフルなバンド・サウンドをも貫くようなエネルギッシュな歌声が、文字通り満場のフロアを照らし出すように響き渡っていく。「初めて私のライブを観る人が多いと思うので、名前だけでも覚えてほしいと思います!」という謙虚なMCとは裏腹に、その歌の圧巻の存在感で、オーディエンスをぐいぐいと惹き付けているのはさすがだ。
「大人になることを決意して作った曲」という紹介とともに披露したのは、2月19日にリリースされたばかりの彼女のセカンド・アルバム『a boy』のタイトル曲“a boy”。雄大なメロディとともに咲き誇る伸びやかな歌が、どこまでも優しく、凛とした輝きをもって、フロアの隅々にまで染み渡っていく。ラウドなロック・ナンバー“Who's that”ではステージを転がり回り、跳び、拳を突き上げながらアグレッシブに衝動を体現し、華奢な身体を力いっぱい共鳴させて“Bless You”のメロディをダイナミックに放射していく。昨年春に高校を卒業、文字通り音楽に情熱のすべてを捧げてきた19歳の彼女の、シンガーとして/表現者としての1年間の足跡が、1曲、また1曲と力強く咲き誇っていく。
「みんな! まだまだ盛り上がっていける?」という溌剌としたコールとともに、タオルを振り回しながら満場のクラップを巻き起こし、弾むようなビート以上に躍動感たっぷりに歌い上げた“Linda”。ディスコ・ファンク風のリズムに身を任せて高々とジャンプしながら、熱い歌声でメッセをびりびりと震わせてみせた、『a boy』収録曲“Papa & Mama”。ラストを飾ったのは、彼女のメジャー・デビュー・シングル“サブリナ”! デビューからたった2年で急速に進化を遂げ、ポップ・シーンど真ん中で闘い続ける家入レオというアーティストの「今」のポテンシャルが、この晴れ舞台で最大限に解き放たれた、珠玉のステージだった。
ライター:高橋智樹/カメラマン:橋本 塁(SOUND SHOOTER)