SPECIAL OTHERS
【LIVE REPORT】
ビクターロック祭り、いよいよ開幕! 会場となった幕張メッセのホールには、開演前から後ろまでぎっしりと人が集まっている。一番手に登場するのはSPECIAL OTHERS。まろやかな幸福感に満ちたグルーヴで、フロアに沢山の笑顔を生み出してくれた。
歓声に迎え入れられてステージに登場した4人は、青いスタッフ用のハッピを羽織ってまずは軽くセッション的に音合せ。そのまま1曲目の“PB”に雪崩れ込む。柳下 "DAYO" 武史のギターと芹澤"Remi"優真のオルガンが絶妙に絡み合い、チアフルなムードを生み出していく。続いては高揚感あふれる“AIMS”へ。音の響きだけで大きな会場を、集まった沢山の人たちのハートを掌握する。ライティングが眩しくフロアを照らし、無数の手が上がる。さすが武道館公演も全米ツアーも成功させてきた猛者だ。
“Uncle John”を終えて、「どうもありがとうございます! ビクターロック祭りへようこそ」と、芹澤。「みんな、あの“犬”知ってますか? あれニッパー君って言うんですよ」と、ステージの背景に飾られたフェスのロゴにあしらわれたビクターのトレードマークの犬を指さす。MCは宮原"Toyin"良太(Dr)との掛け合いで「ずっとお世話になってきた」というビクターとの関係を振り返るユルいムードのトークだ。
「あのとき代官山UNITでドレッドの伏し目がちなディレクターに出会ってさ。あそこでCDを出そうって思ってくれたから、我々は今までご飯を食えてるわけですよ」
「正直言うと、最初は胡散臭いって思ったよ。でも、すごく自由に音楽をやらせてくれて」
「そうそう、最初に“IDOL”という曲を作ったじゃん。こんなに長い曲がメジャーデビューの曲でいいのかな?って思ってさ」
「でも、逆に『伸ばせ』って言われたんだよね」
そしてラストは、その“IDOL”。4人の鳴らす人懐っこいフレーズが少しずつ重なっていき、ラストには大きなカタルシスとなってオーディエンス全員を包み込むようなナンバーだ。
「ありがとうございます。今日は楽しみましょう!」
そう告げてライヴは終演。SPECIAL OTHERSが、「ロックな一日」の最高の幕開けを飾ってくれた!
ライター:柴 那典/カメラマン:橋本 塁(SOUND SHOOTER)